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聖書に出てくる女性たちから何を学べますか

聖書に出てくる女性たちから何を学べますか

聖書の答え

 聖書にはいろいろな女性たちの生き方が書かれていて,たくさんの教訓を学べます。(ローマ 15:4。テモテ第二 3:16,17)この記事では女性たちを簡単に紹介します。そのほとんどは手本となる素晴らしい人たちですが,私たちへの警告となる人たちもいます。(コリント第一 10:11。ヘブライ 6:12

  アビガイル

 どんな人? アビガイルは,金持ちで荒っぽい人ナバルの妻でした。アビガイルは機転が利き,謙遜で,容姿も美しく,神を敬う人でした。(サムエル第一 25:3

 何をした人か アビガイルは災いを回避するために知恵を働かせました。アビガイルとナバルは,イスラエルの将来の王ダビデが逃亡生活を送っていた地域に住んでいました。その間ダビデと部下たちは,ナバルの羊の群れを泥棒から守ってあげていました。それでダビデは使者を遣わし,食料を分けてほしいとナバルにお願いします。しかしナバルが横柄な態度で拒絶したため,ダビデの逆鱗(げきりん)に触れます! ダビデと部下たちは,ナバルと家の男たち全員を殺そうと出ていきました。(サムエル第一 25:10-12,22

 アビガイルは夫がしたことを聞くとすぐに行動します。召し使いたちに食料を渡してダビデと部下たちに届けさせ,自分もダビデに憐れみ(あわれみ)を乞うために後に付いていきます。(サムエル第一 25:14-19,24-31)ダビデは彼女の贈り物と謙遜な態度を見,賢いアドバイスを聞いて,神が最悪の事態を防ぐためにアビガイルを遣わしたことに気付きました。(サムエル第一 25:32,33)間もなくナバルは死に,アビガイルはダビデの妻となりました。(サムエル第一 25:37-41

 学べる教訓 アビガイルは美しくて裕福でしたが,うぬぼれませんでした。自分に落ち度がなくても謝罪することをいとわず,平和な関係を保とうとしました。緊張した状況でも落ち着いて対処し,巧みさや勇気を示し,思慮深く行動しました。

  イゼベル

 どんな人? イゼベルはイスラエル人のアハブ王の妻ですが,イスラエル人ではありません。カナン人の神バアルを崇拝し,エホバを崇拝しませんでした。

 何をした人か イゼベル王妃は傲慢(ごうまん)で冷酷で乱暴な人でした。不道徳な行為にふけるバアル崇拝を広めていて,真の神エホバへの崇拝を根絶しようとたくらんでいました。(列王第一 18:4,13; 19:1-3

 イゼベルは自分勝手な欲望を満たすために,うそをついて人を殺しました。(列王第一 21:8-16)神が予告した通り,彼女は悲惨な死を遂げ,誰にも葬られませんでした。(列王第一 21:23。列王第二 9:10,32-37

 学べる教訓 イゼベルは警告となる例です。道徳心がない厚かましい人で,その名前は恥知らずで慎みに欠けた不道徳な女性の代名詞になりました。

  エステル

 どんな人? エステルはユダヤ人の女性で,ペルシャのアハシュエロス王の妻に選ばれました。

 何をした人か エステル王妃は自分の民族の大虐殺を阻止するために尽力しました。エステルは,ペルシャ帝国に住むユダヤ人全てを殺害する日を定めた命令が出されたことを知ります。これは首相ハマンの仕業でした。(エステル 3:13-15; 4:1,5)エステルは年上のいとこモルデカイの助けを得つつ,自らの命を懸けて,夫のアハシュエロス王にハマンの陰謀を知らせました。(エステル 4:10-16; 7:1-10)アハシュエロスは,エステルとモルデカイの願いを聞き入れて別の命令を出させ,ユダヤ人に自分たちの命を守る権利を与えます。ユダヤ人は敵を徹底的に打ち負かしました。(エステル 8:5-11; 9:16,17

 学べる教訓 エステル王妃は勇気や謙遜さ,慎みの際立った手本です。(詩編 31:24。フィリピ 2:3)美しくて地位の高い人でしたが,アドバイスや助けを求めました。夫には巧みさや敬意を示しつつ,大胆に語りました。ユダヤ人全滅の危機に面した時には,自分もその1人であることを恐れずに明かしました。

  エバ

 どんな人? エバは人類最初の女性で,聖書の中で最初に登場した女性です。

 何をした人か エバは神からの明確な指示に従いませんでした。夫のアダムと同じように,エバも自由意志や,愛や知恵といった神に似た性質を培う能力を持つ完全な人間として創造されました。(創世 1:27)エバは,ある木の実を食べれば死ぬという警告を神がアダムに与えたことを知っていました。ところが,その実を食べても死なないといううそを信じ込み,神に背いた方がもっと良い生き方ができると考えます。エバはその実を食べてしまい,後に夫にも食べるように勧めました。(創世 3:1-6。テモテ第一 2:14

 学べる教訓 悪い欲望を抱き続けるのは危険なことです。神の明確な命令があったにもかかわらず,エバは欲望を募らせて,自分に与えられていないものを手に入れようとしました。(創世 3:6。ヨハネ第一 2:16

  サラ

 どんな人? サラはアブラハムの妻で,イサクの母親でした。

 何をした人か サラは繁栄した町ウルでの快適な生活を後にしました。神が夫アブラハムに約束した事に信仰を持ったからです。神は,ウルを出てカナン地方に行きなさいとアブラハムに言いました。神はアブラハムを祝福し,アブラハムから偉大な国民が生まれるようにすると約束しました。(創世 12:1-5)サラはその頃60代だったと思われます。それ以降,サラはアブラハムと共に遊牧生活をしました。

 サラは遊牧生活で危険な目に遭いますが,アブラハムが神の導きに従えるように支えました。(創世 12:10,15)何年もの間サラは子供に恵まれず,ひどく悲しみました。ですが,神はアブラハムの子孫を祝福すると約束していました。(創世 12:7; 13:15; 15:18; 16:1,2,15)やがて神は,サラがアブラハムの子供を産むと約束します。サラは子供を産める年齢をとうに過ぎていましたが,確かに子供を産みました。サラが90歳,夫のアブラハムが100歳の時でした。(創世 17:17; 21:2-5)2人は息子をイサクと名付けました。

 学べる教訓 サラの例から,どんなに不可能に思える約束でも,神は必ず実現させてくださることを確信できます。(ヘブライ 11:11)結婚生活で妻が敬意を示すことの大切さも学べます。(ペテロ第一 3:5,6

  シュラムの乙女

 どんな人? シュラムの乙女は田舎出身の美しい娘で,「ソロモンの歌」の主人公です。聖書には名前が書かれていません。

 何をした人か シュラムの乙女は羊飼いの若者に揺るぎない愛を抱きました。(ソロモンの歌 2:16)でも,とても美しかったため,裕福なソロモン王の目に留まり,好意を示されます。(ソロモンの歌 7:6)周りの人たちからソロモンを選ぶよう勧められますが,シュラムの乙女は断り,立場が低い羊飼いの若者を愛し続けました。(ソロモンの歌 3:5; 7:10; 8:6

 学べる教訓 シュラムの乙女は美しく,王にも愛されましたが謙虚でした。富と名声を得る見込みや周りからの圧力があっても,気持ちは揺らぎませんでした。感情をコントロールし,貞潔でした。

  デボラ

 どんな人? デボラはイスラエルの神エホバに仕える女預言者で,人々にエホバの意志を伝えました。また,イスラエル人の間で生じた問題を解決しました。(裁き人 4:4,5

 何をした人か 女預言者デボラはエホバに仕える人たちを勇敢に助けました。神からの指示通り,敵のカナン人と戦うイスラエル軍の指揮者としてバラクを呼びます。(裁き人 4:6,7)バラクが一緒に来てほしいと頼むと,デボラは恐れることなく喜んで応じます。(裁き人 4:8,9

 神がイスラエルに決定的な勝利を与えた後,デボラとバラクはその出来事を歌いました。その歌の一部はデボラが作りました。デボラはその中で,カナン人を打ち倒したもう1人の勇敢な女性ヤエルについて述べています。(裁き人 5章

 学べる教訓 デボラは自己犠牲の精神を持つ勇敢な女性でした。神から見て正しいことをするよう人々を励まし,そのように行動した人たちを惜しみなく称賛しました。

  デリラ

 どんな人? デリラはイスラエルの裁き人サムソンが愛した女性です。(裁き人 16:4,5

 何をした人か デリラは敵のフィリスティア人の役人たちからお金をもらい,サムソンを裏切りました。サムソンはイスラエル人を救出するために神が用いていた人です。フィリスティア人はサムソンが持つ超人的な力に打ち勝てませんでした。(裁き人 13:5)それで,ひそかにデリラに助けを求めたのです。

 フィリスティア人はデリラを買収し,なぜサムソンに並外れた力があるのかを探らせます。デリラはお金を受け取り,何度か聞き出そうと試み,ついにサムソンの口を割らせます。(裁き人 16:15-17)デリラがその秘密をフィリスティア人に話したため,彼らはサムソンを捕らえて牢屋(ろうや)に入れました。(裁き人 16:18-21

 学べる教訓 デリラは警告となる例です。お金に貪欲で,エホバ神に仕える人をだまし,不忠実で利己的な行動を取りました。

  ハンナ

 どんな人? ハンナはエルカナの妻で,古代イスラエルの有名な預言者サムエルの母親でした。(サムエル第一 1:1,2,4-7

 何をした人か 子供ができなかったハンナは,神に慰めを求めました。夫には妻が2人いて,もう1人の妻ペニンナには子供がいましたが,ハンナには何年たっても子供ができませんでした。ハンナはペニンナからひどい嫌がらせを受け,神に慰めを祈り求めます。そして,もし男の子を授けてくださるなら,幕屋つまり崇拝のための移動式天幕での奉仕のためにその子を捧げ(ささげ)ます,と誓います。(サムエル第一 1:11

 神は祈りに応え,ハンナはサムエルを産みます。ハンナは約束を守り,幕屋で奉仕させるために幼いサムエルを連れていきます。(サムエル第一 1:27,28)毎年,サムエルのために袖なしの上着を作っては届けました。その後ハンナは神に祝福され,3人の息子と2人の娘が生まれました。(サムエル第一 2:18-21

 学べる教訓 ハンナは心から祈り,試練に耐えることができました。サムエル第一 2章1–10節にあるハンナの感謝の祈りには,神へのあつい信仰心がはっきりと表れています。

  マリア(イエスの母)

 どんな人? マリアはユダヤ人女性で,処女だった時に神の子を奇跡的に妊娠し,イエスを産みました。

 何をした人か マリアは神が望むことを謙遜に行いました。ヨセフと婚約していた時に天使が現れ,マリアが妊娠して待望のメシアを産むことになると告げられました。(ルカ 1:26-33)マリアはその役割を進んで受け入れます。イエスが生まれた後に,4人の息子と,少なくとも2人の娘が生まれました。ですから,処女のままではありませんでした。(マタイ 13:55,56)マリアはこの上ない栄誉を受けましたが,イエスの奉仕期間中も,初期クリスチャン会衆の中でも,人々からの称賛を求めようとはしませんでした。

 学べる教訓 マリアは重い責任を進んで受け入れた忠実な女性で,聖書によく通じていました。ある資料によると,マリアはルカ 1章46-55節の中で20ほどの聖句に言及しています。

  マリア(マルタとラザロの姉妹)

 どんな人? マリアはマルタとラザロと同じく,イエスの親しい友人でした。

 何をした人か マリアはイエスが神の子だと認めていることを何度も示しました。イエスはラザロが死ぬのを防げたはずだという信仰を表明し,ラザロが復活させられた時,その場にいました。マルタは,家事を手伝わずにイエスの話を聞いていたマリアを責めましたが,イエスは神について知りたいと思っていたマリアを褒めました。(ルカ 10:38-42

 マリアは心を込めてイエスをもてなし,「高価な香油」をイエスの頭と足に注ぎました。(マタイ 26:6,7)香油を無駄にしていると周囲から非難されますが,イエスはマリアをかばい,こう言います。「世界中どこでも[神の王国の]良い知らせが伝えられる所では,この女性がしたことも語られ,思い起こされます」。(マタイ 24:14; 26:8-13

 学べる教訓 マリアにはあつい信仰心がありました。日常の事柄よりも神への崇拝を優先しました。イエスのためにお金を惜しまずに使い,謙遜な態度で敬意を示しました。

  マリア・マグダレネ

 どんな人? マリア・マグダレネはイエスの忠実な弟子でした。

 何をした人か マリア・マグダレネはイエスと弟子たちと共に旅をした女性の1人です。彼らの必要を賄うためにお金を惜しみなく使いました。(ルカ 8:1-3)イエスの伝道の最後まで付き添い,イエスが処刑される時にもそばにいました。そして,復活して間もないイエスを見るという名誉にあずかった人の1人でした。(ヨハネ 20:11-18

 学べる教訓 マリア・マグダレネはイエスの伝道活動を快くサポートし,忠実な弟子として仕えました。

  マルタ

 どんな人? マルタはラザロとマリアの姉妹で,3人ともエルサレムの近くの村ベタニヤに住んでいました。

 何をした人か マルタはイエスと親しく,イエスは「マルタとマリアとラザロを愛して」いました。(ヨハネ 11:5)マルタは人をよくもてなしました。イエスが家を訪問した際,マリアはイエスの話を聞いていましたが,マルタは家事で忙しくしていました。マリアが手伝ってくれないことで不満を述べると,イエスはマルタの見方を優しく正しました。(ルカ 10:38-42

 ラザロが病気になった時,マルタとマリアはイエスに来てほしいと頼みます。イエスがラザロを癒やせることを信じていたからです。(ヨハネ 11:3,21)しかしラザロは死んでしまいます。マルタはイエスとの会話を通し,聖書の復活の約束と,ラザロを生き返らせるイエスの能力に対する確信を表しました。(ヨハネ 11:20-27

 学べる教訓 マルタは勤勉に人をもてなしました。アドバイスを進んで受け入れ,人々の前で自分の気持ちや信仰について語りました。

  ミリアム

 どんな人? ミリアムはモーセとアロンの姉でした。聖書の中で女預言者と呼ばれた最初の人です。

 何をした人か ミリアムは女預言者として神からのメッセージを人々に伝えました。イスラエルの中で目立った立場にあり,神が紅海でエジプト軍を壊滅させた時には男性たちと共に勝利の歌を歌いました。(出エジプト 15:1,20,21

 その後しばらくして,ミリアムとアロンはモーセを批判しました。誇りや嫉妬心があったようです。神は「これを聞いていた」ので,2人を厳しくとがめます。(民数 12:1-9)神はミリアムを重い皮膚病で打ちました。モーセへの批判をたきつけたのはミリアムだったからだと思われます。ミリアムを癒やしてほしいとモーセが嘆願したので,神は聞き入れます。ミリアムは7日間隔離された後,イスラエルの宿営に戻ることができました。(民数 12:10-15

 聖書によると,ミリアムは矯正を受け入れました。何世紀も後に,神はイスラエル人に語る際にミリアムの特別な役割についてこう述べました。「あなたの前にモーセ,アロン,ミリアムを遣わした」。(ミカ 6:4

 学べる教訓 神は自分に仕える人たちが何を言い,互いについて何を話すかに注目しています。また,神に喜ばれるには,誇りや嫉妬心を克服しなければなりません。そうした傾向は他の人の評判を損ないかねません。

  ヤエル

 どんな人? ヤエルはヘベルの妻で,イスラエル人ではありません。ヤエルは恐れずに神の民を助けました。

 何をした人か ヤエルは,カナン人の軍隊の長シセラが彼女の天幕に現れた時,果敢に行動しました。イスラエルとの戦いに敗れたシセラは隠れ家を探していたので,ヤエルは天幕に招き入れて休ませます。そして,眠り込んだシセラを殺しました。(裁き人 4:17-21

 ヤエルの行動により,「エホバはシセラを,ある女性の手に渡す」というデボラの預言が実現しました。(裁き人 4:9)ヤエルは重要な役割を果たしたので,「女性のうち最も祝福された人」という称賛を受けます。(裁き人 5:24

 学べる教訓 ヤエルは進んで行動し,勇気を示しました。神は物事を巧みに動かして預言を実現させます。

  ラケル

 どんな人? ラケルはラバンの娘で,族長ヤコブに愛された妻です。

 何をした人か ラケルはヤコブと結婚して2人の息子を産み,古代イスラエルの12部族の基礎が築かれました。ラケルは父の羊を世話している時にヤコブに会いました。(創世 29:9,10)姉のレアと比べてラケルは「とても魅力的」でした。(創世 29:17

 ヤコブはラケルを愛し,結婚するために7年間働くことに同意します。(創世 29:18)しかしラバンはヤコブをだまし,先にレアと結婚させ,その後ラケルと結婚することを許します。(創世 29:25-27

 ヤコブはレアと彼女の子供たちよりも,ラケルと2人の息子を愛しました。(創世 37:3; 44:20,27-29)その結果,ラケルとレアは互いをライバル視するようになりました。(創世 29:30; 30:1,15

 学べる教訓 ラケルは神が必ず祈りを聞いてくださると信じて,家庭内での難しい状況に耐えました。(創世 30:22-24)一夫多妻は緊張した関係を生じさせます。結婚の本来の基準である一夫一婦制には,神の知恵が表れています。(マタイ 19:4-6

  ラハブ

 どんな人? ラハブはカナン人の町エリコに住んでいた娼婦で,エホバの崇拝者になりました。

 何をした人か ラハブはカナンを偵察しに来ていた2人のイスラエル人を隠しました。ラハブがそのように行動したのは,イスラエルの神エホバがご自分の民をエジプトから救出したことや,後に敵のアモリ人を打ち倒したことを聞いたからです。

 ラハブは偵察者たちを助け,イスラエル人がエリコを攻撃する際,自分と家族を生かしてほしいと嘆願します。偵察者たちは同意しますが,いくつか条件を出します。偵察者たちの任務について秘密を守ること,イスラエル人が攻撃する時,家族と共に彼女の家にとどまっていること,家の場所がすぐ分かるように緋色(ひいろ)の綱を窓に結ぶことです。ラハブは全ての指示に従い,イスラエル人がエリコを攻め落とした時に家族と共に生き延びました。

 その後ラハブはイスラエル人と結婚し,ダビデ王とイエス・キリストの先祖になりました。(ヨシュア 2:1-24; 6:25。マタイ 1:5,6,16

 学べる教訓 ラハブは信仰の際立った手本です。(ヘブライ 11:30,31。ヤコブ 2:25)神は快く許してくださる公平な方で,どんな背景を持つ人でも神を信頼するなら祝福してくださいます。

  リベカ

 どんな人? リベカはイサクの妻で,双子のヤコブとエサウの母親でした。

 何をした人か リベカは難しい状況でも神の望むことを行いました。リベカが井戸で水をくんでいた時,ある男性から水を一口飲ませてほしいと頼まれました。リベカはすぐに水を差し出し,男性のラクダにも水を飲ませることを申し出ました。(創世 24:15-20)その男性はアブラハムの従者で,アブラハムの息子イサクの妻を見つけるために長旅をしていました。(創世 24:2-4)従者は神からの祝福を祈り求めていました。リベカの勤勉さともてなしを見て,神が自分の祈りに答えてくださり,イサクの妻にリベカを選んだことに気付きました。(創世 24:10-14,21,27

 リベカは従者の旅の目的を知ると,従者と共に行き,イサクの妻になることに同意しました。(創世 24:57-59)その後リベカは双子を産みますが,神は兄のエサウが弟のヤコブに仕えることになると告げていました。(創世 25:23)イサクはエサウが長男として祝福を受けるようにと神に願い求めることにします。リベカはその祝福がヤコブに与えられるように手を打ち,神の意志に調和して行動しました。(創世 27:1-17

 学べる教訓 慎み深く勤勉で人をよくもてなしたリベカは,妻や母また真の神の崇拝者として素晴らしい女性です。

  ルツ

 どんな人? ルツはモアブ人で,自分の神を捨てて故郷を後にし,イスラエルの神エホバの崇拝者となった女性です。

 何をした人か ルツはしゅうとめのナオミを深く愛しました。イスラエルで飢饉(ききん)が起きたため,ナオミは夫と息子2人と共にモアブに移住していました。やがて息子たちはそれぞれ,モアブ人の女性であるルツとオルパと結婚します。ところが,ナオミの夫と2人の息子は亡くなってしまい,3人のやもめたちが残されました。

 ナオミは干ばつが終わったイスラエルに戻ることにします。ルツとオルパは一緒に行こうとしますが,ナオミは実家に帰るよう2人に勧め,オルパはそうしました。(ルツ 1:1-6,15)一方ルツは,しゅうとめに揺るぎない愛を示します。ルツはナオミを愛していて,ナオミの神エホバを崇拝したいと思っていました。(ルツ 1:16,17; 2:11

 献身的な嫁で働き者だったルツの評判は,ナオミの故郷ベツレヘムですぐに広まりました。裕福な土地所有者であるボアズはルツにとても感銘を受け,ルツとナオミに惜しみなく食物を提供しました。(ルツ 2:5-7,20)後にルツはボアズと結婚し,ダビデ王とイエス・キリストの先祖になりました。(マタイ 1:5,6,16

 学べる教訓 ルツはナオミとエホバを愛していたので,故郷や家族を進んで後にしました。よく働き,献身的で,逆境に面しても揺るぎない愛を示しました。

  レア

 どんな人? レアは族長ヤコブの最初の妻で,もう1人の妻はレアの妹ラケルでした。(創世 29:20-29

 何をした人か レアはヤコブの息子を6人産みました。(ルツ 4:11)ヤコブはラケルと結婚するつもりでしたが,彼女たちの父親ラバンはレアを与えました。ヤコブはだまされたことに気付いて抗議しますが,ラバンは下の娘を先に嫁にやる習慣がないと主張します。1週間後,ヤコブはラケルと結婚します。(創世 29:26-28

 ヤコブはレアよりもラケルを愛しました。(創世 29:30)レアは嫉妬に駆られ,ヤコブの愛情を求めて妹と張り合いました。神はレアの感情を気遣い,子供を7人与えて祝福しました。レアは息子6人と娘1人の母親になりました。(創世 29:31

 学べる教訓 レアは祈りによって神に頼りました。つらい状況に置かれていても,神が助けてくださっていることへの感謝を忘れませんでした。(創世 29:32–35; 30:20)レアの生涯の記録は一夫多妻の害を明らかにしています。神が一夫多妻を許容していた時期もありましたが,神が認めている結婚の基準は一夫一婦です。(マタイ 19:4-6

  ロトの妻

 どんな人? 聖書は名前を明らかにしていません。ロトと妻には2人の娘がいて,家族でソドムという町に住んでいました。(創世 19:1,15

 何をした人か ロトの妻は神の命令に従いませんでした。ソドムと周りの町の人々が甚だしい性的不道徳を行っていたため,神はそれらの町を滅ぼすことに決めました。神はソドムに住んでいた正しい人ロトと家族を愛していたので,2人の天使を遣わして,ロトの家族を安全に逃れさせようとしました。(創世 18:20; 19:1,12,13

 天使はロトの家族に,この地域から逃げなさい,後ろを振り返ってはいけない,と言います。振り返るなら死んでしまいます。(創世 19:17)ロトの妻は「振り返ったため,塩の柱になっ」てしまいました。(創世 19:26

 学べる教訓 物への愛着が強過ぎると,神に不従順になってしまいます。イエスは警告として「ロトの妻のことを思い出しなさい」と言いました。(ルカ 17:32

 聖書に出てくる女性たちの年表

  1.  エバ

  2. 洪水(西暦前2370年)

  3.  サラ

  4.  ロトの妻

  5.  リベカ

  6.  レア

  7.  ラケル

  8. 出エジプト(西暦前1513年)

  9.  ミリアム

  10.  ラハブ

  11.  ルツ

  12.  デボラ

  13.  ヤエル

  14.  デリラ

  15.  ハンナ

  16. イスラエルの最初の王(西暦前1117年)

  17.  アビガイル

  18.  シュラムの乙女

  19.  イゼベル

  20.  エステル

  21.  マリア(イエスの母)

  22. イエスのバプテスマ(西暦29年)

  23.  マルタ

  24.  マリア(マルタとラザロの姉妹)

  25.  マリア・マグダレネ

  26. イエスの死(西暦33年)