若い人は尋ねる
どうして自分には友達がいないんだろう
あなたはネットで,最近あったパーティーの写真を見ています。友達はみんな写っていて,とても楽しそうです。でも,何か,いえ,だれかが足りません。あなたがその場にいないのです。
「どうして自分は呼ばれなかったんだろう」と考えます。
だんだん嫌な気持ちになり,裏切られたように感じます。これまでの人間関係が,まるでトランプでできた家みたいにあっけなく崩れ去ったような気がします。寂しくてたまらなくなり,「どうして自分には友達がいないんだろう」とつぶやきます。
寂しさクイズ
正しいですか,間違いですか
友達がたくさんいれば,寂しく感じることはない。
SNSを利用すれば,寂しく感じることはない。
メールをたくさんすれば,寂しく感じることはない。
他の人のために何かをすれば,寂しく感じることはない。
4つの文は,どれも間違いです。
なぜでしょうか。
友達と寂しさに関する事実
友達がたくさんいても,寂しく感じないとは限らない。
「わたしは友達を大事に思っていますが,みんなから大事に思われていないと感じることがあります。友達に囲まれていても,愛されていない,必要とされていないと思うと,ものすごく寂しくなります」。―アン。
SNSを利用しても,寂しく感じないとは限らない。
「フィギュアを集める感覚で友達を作る人もいます。でも,フィギュアで部屋をいっぱいにしても,愛されているとは感じません。有意義な人間関係を築いていなければ,ネットの友達は命のないフィギュアと変わりません」。―イレイン。
メールをたくさんしても,寂しく感じないとは限らない。
「寂しい時に,友達からメールが来ていないか,しょっちゅう携帯をチェックすることがあります。もともと寂しいのに,だれからも連絡が来ていないと,もっと落ち込みます」。―セリーナ。
他の人のために何かをしても,寂しく感じないとは限らない。
「いつも友達に親切にしようとしていますが,友達から同じように親切にしてもらってはいません。親切にしたことを後悔してはいませんが,何もお返しをしてくれないので,ちょっと悲しい気持ちになります」。―リチャード。
ポイント: 寂しく感じるかどうかは,考え方しだいです。ジャネットという若い女性は,「寂しさは外からじゃなくて,自分の中から来るものです」と言います。
では,友達がいなくて寂しいと感じたら,どうすればいいでしょうか。
闘いに勝つには
自信を持つようにする。
「寂しさは,自信のなさから来ることがあります。自分には他の人に関心を払ってもらえるほどの価値がないと思っていると,心を開いて友達を作るのが難しくなります」。―ジャネット。
聖書のアドバイス: 「あなたは隣人を自分自身のように愛さねばならない」。(ガラテア 5:14)健全な友情を楽しむには,ある程度の自尊心が必要です。もちろんそれは,自己中心的なプライドを持つこととは違います。―ガラテア 6:3,4。
自分を哀れまない。
「寂しさは泥沼みたいなものです。その中でもがけばもがくほど,抜け出せなくなります。寂しさにのみ込まれてしまうと,他の人を寄せつけなくなって,いっそう孤独になります」。―エリン。
聖書のアドバイス: 「愛は……自分の利を求め」ない。(コリント第一 13:4,5)自分のことばかり考えていると,他の人にあまり思いやりを示さないので,友達になってもらいにくくなるでしょう。(コリント第二 12:15)自分の幸せが他の人の行動にかかっていると考えるなら,落ち込むばかりです。「だれも電話してくれない」とか,「だれも誘ってくれない」という考え方は,あなたの幸せを人任せにしているようなものです。他の人に依存し過ぎていないでしょうか。
友達になってくれればだれでもいいとは考えない。
「寂しく感じている人は,だれでもいいから構ってほしいと考えてしまうことがあります。自分は必要とされている,と感じたいんです。でも,ある人たちはその気持ちにつけ込んで,あなたを利用しようとします。そういう目に遭うと,もっと寂しく感じます」。―ブリアン。
聖書のアドバイス: 「賢い者たちと共に歩んでいる者は賢くなり,愚鈍な者たちと交渉を持つ者は苦しい目に遭う」。(箴言 13:20)飢えている人は,ほとんど何でも食べます。同じように,友達に飢えている人は,望ましくない人でも友達にしようとしがちです。だれかの言いなりになることさえあるかもしれません。そうした関係は普通で,もっといい友情など見込めない,と考えてしまうのです。
まとめ: 程度の差こそあれ,だれでも寂しく感じることがあります。寂しいとすごくつらい気持ちになる場合もありますが,結局のところそれは“気持ち”にすぎません。気持ちはたいてい考えに左右されるもので,自分の考えをコントロールすることは可能です。
他の人に何を期待するかについても,現実的な見方を持ちましょう。先ほどのジャネットはこう言います。「だれもが永遠の親友になるわけではありません。でも,気遣ってくれる人は必ず見つかります。そうした気遣いがあれば十分です。寂しさを感じないですむからです」。
こんな情報もあります: 「 友達を作ることへの恐れを克服する」をお読みください。「寂しさを乗り越える」というPDFもダウンロードできます。