聖句の解説
創世 1:1 「初めに,神は天と地を創造した」
「初めに,神は天と地を創造した」。創世 1:1,「新世界訳」
「初めに,神は天地を創造された」。創世記 1:1,「新共同訳」,日本聖書協会
創世 1:1の意味
創世 1:1の文脈
創世記のこの最初の節は,創世 1章と2章の創造に関する記述を紹介しています。創世 1章1節から2章4節で,神が地球と最初の男女を含む全ての生き物を創造するプロセスが短く述べられています。続く記述では,男女の創造についてより詳細な点が記されています。(創世 2:7-25)
創世記は,神が6つの「日」という期間にかけて行った創造について記しています。これらの日は24時間から成る1日のことではなく,長さが明確ではない期間を指しています。実際,「日」が24時間以外の時の長さを指して使われている例があります。創世 2章4節では,「日」が「時」と同じ意味で使われていて,神が行った創造の6日間全体を「日」と呼んでいます。
創世 1:1についての誤解
誤解 神は数千年前に宇宙を創造した。
事実 聖書はいつ宇宙が創造されたのかはっきり述べていません。創世 1章1節の記述は,宇宙の年齢は100億年を超えるという現代の科学上の理解と矛盾していません。 c
誤解 創世 1章1節から神は三位一体であることが分かる。なぜなら,この節に出てくるヘブライ語の「神」は複数形だから。
事実 「神」という称号は,ヘブライ語の複数形エローヒームを訳したもので,人数ではなく,尊厳や卓越という概念を表しています。創世 1章1節などに出てくる複数形エローヒームには「常に単数形の動詞が伴っている。この複数形は卓越を表しており,数のことではない」と新カトリック百科事典(英語)も認めています。(第2版,第6巻,272ページ)
創世 1章をお読みください。脚注や相互参照も参考になります。