マルコによる福音書 9:1‐50

  • イエスの姿が変わる1‐13

  • 邪悪な天使に取りつかれた少年が癒やされる14‐29

    • 信仰がある人には全てのことが可能23

  • イエスは再び自分の死を予告する30‐32

  • 弟子たちは誰が偉いかと言い合う33‐37

  • 反対していない人は味方している38‐41

  • 信仰を妨げるもの42‐48

  • 「自分の内に塩を持ちなさい」49,50

9  イエスはさらに言った。「はっきり言いますが,ここに立っている人の中には,死を迎える前に,神の王国が力を持ってすでに来ているのを見る人たちがいます+」。  6日後,イエスはペテロとヤコブとヨハネだけを連れて,高い山に登った。そして3人の目の前でイエスの姿が変わった+  外衣はきらきら輝き,地上のどんな洗濯人にもできないほどに白くなった。  また,エリヤがモーセと共に現れ,イエスと語り合っていた。  そこでペテロがイエスに言った。「ラビ*,私たちがこの場にいられるのは素晴らしいことです。3つの天幕を立てさせてください。あなたと,モーセと,エリヤのためです」。  ペテロはどう反応したらいいか分からなかったのである。3人ともすっかり恐れていた。  すると,雲ができて皆を覆い,雲の中から声がした+。「これは私の愛する子である+。彼の言うことを聞きなさい+」。  その瞬間,3人は辺りを見回したが,イエス以外にはもう誰も見えなかった。  山を下っていた時,イエスは,人の子*が生き返るまでは+,見た事柄を誰にも話してはならない,と厳重に命じた+ 10  3人はその言葉を心に留めた*が,この生き返るとはどういう意味なのかを論じ合った。 11  そしてイエスに質問し始め,「なぜ律法学者たちは,まずエリヤ+が来なければならないと言うのですか」と言った+ 12  イエスは言った。「確かにエリヤがまず来て,全てのものを回復します+。では,人の子が必ず多くの苦しみに遭い+,侮辱される,と書いてあるのはどうしてでしょうか+ 13  あなたたちに言いますが,エリヤ+は現に来て,人々は彼に対してしたい放題のことをしました。書かれていた通りです+」。 14  彼らがほかの弟子たちの所に来ると,大勢の人が群がっていて,律法学者たちが弟子たちと言い合っていた+ 15  群衆はイエスを見掛けると非常に驚き,走り寄って,あいさつした。 16  イエスは,「何を言い合っているのですか」と尋ねた。 17  群衆の1人が答えた。「先生,息子が邪悪な天使に取りつかれて話せないので,あなたの所に連れてきました+ 18  その者はいつでも息子を襲うと地面にたたきつけ,息子は泡を吹き,歯ぎしりして,ぐったりしてしまいます。あなたの弟子たちに,追い出してくれるよう頼みましたが,できませんでした」。 19  それでイエスは言った。「ああ,不信仰な世代よ+,私はいつまであなた方といなければならないのでしょう。いつまであなた方のことを耐えなければならないのでしょう。その子を連れてきなさい+」。 20  その少年が連れてこられた。邪悪な天使はイエスを見ると,すぐにその子にけいれんを起こさせ,子供は地面に倒れ,泡を吹きながら転げ回った。 21  イエスは父親に尋ねた。「こうしたことがいつから起きているのですか」。父親は言った。「小さな頃からずっとです。 22  邪悪な天使は息子を殺そうとして,何度も火の中や水の中に投げ込みました。しかし,何かできるのでしたら,かわいそうだと思って私たちを助けてください」。 23  イエスは言った。「『できるなら』と言うのですね。信仰がある人には全てのことが可能です+」。 24  父親は直ちに声を張り上げて言った。「私には信仰があります! もっと信仰を持てるよう助けてください+!」 25  その時イエスは,群衆が押し寄せてくるのに気付き,邪悪な天使を叱りつけて,「口と耳をふさぐ邪悪な天使よ,私は命じます。この子から出て,二度と入ってはなりません」と言った+ 26  すると,邪悪な天使は叫び声を上げ,何度もけいれんを起こさせてから,出ていった。子供は死んだように見え,大半の人が「この子は死んだ!」と言った。 27  しかし,イエスが手を取って起こすと,子供は立ち上がった。 28  イエスが家に入ってから,弟子たちがそっと尋ねた。「なぜ私たちは追い出せなかったのでしょうか+」。 29  イエスは言った。「この種のものは,祈らなければ追い出せません」。 30  一行はそこを出発してガリラヤを通ったが,イエスはそのことを誰にも知られたくなかった。 31  弟子たちを教え,こう話していたからである。「人の子は裏切られて人々に引き渡され,殺されます+。しかし,殺されても3日後に生き返ります+」。 32  けれども,弟子たちはその言葉が理解できず,質問する勇気もなかった。 33  一行はカペルナウムに入った。家の中にいた時,イエスは弟子たちに,「途中で何を言い合っていたのですか」と質問した+ 34  弟子たちは黙っていた。途中で,誰が一番偉いかと言い合っていたからである。 35  イエスは腰を下ろし,12人を呼んで,言った。「1番でありたい人は,みんなの最後となり,みんなの奉仕者とならなければなりません+」。 36  そして,幼い子供を真ん中に立たせ,その子に腕を回して,弟子たちに言った。 37  「私の名のためにこのような幼い子供1人を受け入れる人は+,私をも受け入れます。そして私を受け入れる人は,私だけでなく,私を遣わした方をも受け入れます+」。 38  ヨハネがイエスに言った。「先生,ある人があなたの名を使って邪悪な天使を追い出していたので,私たちはやめさせようとしました。私たちの後に従っていないからです+」。 39  しかしイエスは言った。「やめさせようとしてはなりません。私の名によって強力な行い*をしながら,すぐに私を悪く言える人はいないからです。 40  私たちに反対していない人は私たちに味方しているのです+ 41  はっきり言いますが,あなたたちがキリストの弟子だという理由で1杯の飲み水をくれる人は+,必ず報いを得ます+ 42  しかし,信仰を持つそのような目立たない人1人の信仰を妨げる*人は,ロバの回す石臼を首に掛けられて海に投げ込まれる方がよいでしょう+ 43  もし一方の手があなたの信仰の妨げとなるなら,それを切り捨てなさい。片方の手を失って命を得る方が,両手があるままゲヘナ*に,消えない火の中に行くよりは,よいのです+ 44 * ― 45  また,もし一方の足があなたの信仰の妨げとなるなら,それを切り捨てなさい。片方の足を失って命を得る方が,両足があるままゲヘナに投げ込まれるよりは,よいのです+ 46 * ― 47  また,もし一方の目があなたの信仰の妨げとなるなら,それを捨て去りなさい+。片方の目を失って神の王国に入る方が,両目があるままゲヘナに投げ込まれるよりは,よいのです+ 48  ゲヘナでは,うじは死なず,火は消えません+ 49  全ての人には,塩が振り掛けられるように,火が注がれなければならないのです+ 50  塩は良いものです。しかし,もし塩が塩気を失ったら,何によって塩気を取り戻せるのですか+。自分の内に塩を持ちなさい+。そして,互いに平和を保ちなさい+」。

脚注

または,「先生」。
イエスのこと。用語集参照。
もしかすると,「この件を胸にしまい込んだ」。
または,「奇跡」。
または,「に罪を犯させる」。直訳,「をつまずかせる」。
用語集参照。
付録A3参照。
付録A3参照。