イエス・キリストを思い起こす
「わたしの記念としてこれを行ないつづけなさい」。―ルカ 22:19。
ある人々はそのためにクリスマスを祝う。
ある人々は,イエス・キリストこそ「この時期の主役」であるとし,その誕生を記念するためにクリスマスを祝います。
それが容易でないのはなぜか。
クリスマスソングや様々な風習は,キリストとはほとんど関係がありません。クリスマスを祝う大勢の人々はイエスに信仰を抱いておらず,イエスを実在の人物と信じていない人さえいます。商業界では,イエスを思い起こす時ではなく,商品を宣伝するための祭日となっています。
聖書のどんな教えが助けになるか。
「人の子(は)自分の魂を,多くの人と引き換える贖いとして与えるために来た」。(マルコ 10:45)イエスがこの記事の冒頭で引用した言葉を語ったのは,明らかに自分の誕生日ではありませんでした。死ぬ前の夜のことでした。その晩イエスは,自分の死を記念するための簡素な式を制定したのです。自分の誕生ではなく死を記念するよう弟子たちに求めたのは,イエスが贖いの犠牲となることにより,従順な人に永遠の命を得る機会が与えられるからです。聖書によれば,「罪の報いは死ですが,神の賜物は,わたしたちの主キリスト・イエスによる永遠の命」です。(ローマ 6:23)ですから,毎年,イエスの死んだ日に,その追随者たちは,無力な幼児ではなく「世の救い主」となったイエスを思い起こすのです。―ヨハネ 4:42。
「キリスト(は)あなた方のために苦しみを受け,あなた方がその歩みにしっかり付いて来るよう手本を残された」。(ペテロ第一 2:21)イエスを敬い,思い起こすためには,完全で聡明な人間であったイエスの手本を研究すべきです。その同情心や辛抱強さ,また正しいことを行なう勇気についても黙想してください。そして,生活の中で機会あるごとにイエスに倣うようにしてください。
「世の王国はわたしたちの主とそのキリストの王国となった。彼は限りなく永久に王として支配するであろう」。(啓示 11:15)イエスを思い起こす時には,現在のイエスについて考えてください。イエスは,天の王として支配しています。神の言葉 聖書は,イエスに関して,「立場の低い者たちを必ず義をもって裁き,地の柔和な者たちのために必ず廉直さをもって戒めを与える」と預言していました。(イザヤ 11:4)そのような魅力的な特質は,生まれたばかりの赤子のものではなく,力強い支配者のものなのです。