テサロニケのクリスチャンへの第一の手紙 5:1-28
脚注
注釈
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この絵は,1世紀のローマ兵が使っていたかぶとのうち2種類を描いたもの。かぶとは青銅か鉄で作られていた。半球状で,首を守る部分もあり,頰当てがちょうつがいで付いていた。ほとんどのかぶとには,敵の攻撃を顔からそらすためのひさしのようなものも付いていた。全てのかぶとには内張りがあって,通常は長時間着用できるよう緩衝材も付いていた。兵士はかぶとを含む武具を自分でそろえる必要があったようだ。パウロは,防御に必要不可欠なものの例えとして,かぶとを使った。かぶとが致命傷となる攻撃から兵士の頭を守るのと同じように,「救いの希望」はクリスチャンの思考力と将来の命の見込みを守ることができる。(テサ一 5:8,9。テト 1:2)

1世紀,ローマ兵が胸や背中を守るために身に着けた胸当ては何種類もあった。高位の士官は,体に合わせた2枚の金属板でできた胴よろい(1)を使った。2枚の板が前後にあり,片方の脇の所でちょうつがいでつながれ,もう片方は金具やひもで留められるようになっていた。兵士の多くは,鉄や銅の合金でできた小札よろい(2)を使った。革や麻の裏地に,うろこ状の金属片が取り付けられていた。ほかの兵士は,革でできた上着の上に鎖かたびら(3)を身に着けていた。それは何万もの鉄の輪をつなぎ合わせたものだった。有用な保護具で,ほかの種類の胸当てよりも軽かった。パウロは胸当ての例えを使って,正義,信仰,愛が保護になることを示した。(エフ 6:14。テサ一 5:8)

これらは西暦1世紀に出回っていた筆記用具。ナイル川沿いで育つ種類のアシを削って作ったペンが使われたかもしれない。通常,手頃な価格の黒のインクをインクつぼに入れて使った。木の板,陶器のかけら,羊皮紙,パピルスなどさまざまなものに書いた。パピルスの巻紙に長い手紙を書き,残った部分を後で使えるよう切り落とすことがあった。短い手紙の場合,店で巻紙を切ってもらい,1枚分買うことができた。ほとんどの手紙は短いものだった。例えば,パウロがフィレモンに書いた手紙が普通の長さだと考えられる。ギリシャ語聖書の大半の書は手紙で,聖なる力に導かれてイエスの弟子たちによって書かれた。