なぜ健康のことを考えるべきなのだろう
10章
なぜ健康のことを考えるべきなのだろう
達成したい目標に✔を付けてください。
❏ くよくよしない
❏ 怒りを抑える
❏ もっと自信を持つ
❏ 集中力を高める
❏ 体力をつける
❏ 顔色を良くする
❏ 体重を減らす
若い人にとって,自分では選べないものがあります。例えば,親や兄弟,住む場所などです。しかし,健康となると話は別です。体のコンディション *
は,遺伝的な要因だけでなく生活の仕方にも左右されます。『でも,まだ若いから健康なんて心配しなくていい』と思いますか。本当にそうでしょうか。71ページの目標を見てください。幾つしるしを付けましたか。意外かもしれませんが,どの目標も,達成するには健康が欠かせません。
とはいえ,17歳のアンバーのように感じますか。「全粒粉や低脂肪や糖分ゼロのものしか食べられないなんて,とても無理です」とアンバーは言います。そう思うとしても,心配しないでください。甘いものをやめて,毎週何キロも走らなければならないわけではありません。生活を少し変えるだけで,外見が良くなり,気分がさわやかになり,体調も良くなるのです。では,どんなことができるか,見てみましょう。
良い食生活で良い外見
聖書は,節度ある食習慣を勧めています。箴言 23章20節には,「大食いになってはなりません」とあります。(「現代英語訳」)そうするのは必ずしも簡単ではありません。
「周りの子もそうですが,僕はいつもおなかがすいています。『底なしだ』と親から言われます」。―アンドリュー,15歳。
「食べ物が原因で体調が悪くなったことはないので,『これは体に良くない』と言われてもぴんときません」。―ダニエール,19歳。
食習慣の面で,もっと自制する必要がありますか。ある若者たちは,こうしています。
おなかのことを考える。19歳のジュリアはこう言います。「以前はカロリーを計算していましたが,今はおなかがいっぱいになったら食べるのをやめています」。
体に良くないものを避ける。21歳のピーターは「炭酸飲料をやめたら1か月で5㌔やせました」。
食習慣を改める。「お代わりはなるべくしないようにしています」と,19歳のエリンは言います。
ワンポイント・アドバイス: 食事を抜いてはいけません。もっとおなかがすいて,食べ過ぎてしまうからです。
運動すれば気分はさわやか
『体の訓練は益がある』と聖書は述べています。(テモテ第一 4:8)でも,運動したがらない若者が少なくありません。
「高校の時,体育の点が取れない子が大勢いました。ぜんぜん難しくないのに」。―リチャード,21歳。
「ある子たちは,『なんで炎天下で汗だくになって走り回って疲れなくちゃいけないの? 家でゲームをして,キャラクターに運動させればいいのに』と思っています」。―ルース,22歳。
「運動」と聞いただけで疲れますか。でも,定期的な運動には三つの利点があります。
利点1: 免疫力が高まる。19歳のレイチェルはこう語ります。「『病院通いに時間を取られたくないなら,運動しなさい』と,父によく言われました」。
利点2: 気分を落ち着かせる脳内化学物質が分泌される。「いろんな
ことで頭がいっぱいでも,走るとすっきりします。体が軽くなり,気持ちもすごく落ち着きます」と,16歳のエミリーは言います。利点3: 楽しみが増える。22歳のルースはこう言います。「わたしはアウトドア派で,ハイキング,水泳,スノーボード,自転車で体を動かすのが好きです」。
ワンポイント・アドバイス: 週に3日,最低20分は,楽しめる強めの運動をしましょう。
睡眠を取ると体調が良くなる
聖書には,「一握りの憩いは,二握りの骨折りと風を追うことに勝る」とあります。(伝道の書 4:6)睡眠が足りないと,体調が悪くなります。
「寝不足だと,ぼうっとしてしまい,集中できません」。―レイチェル,19歳。
「午後2時ごろになると,疲れがピークに達し,人と話している最中に眠ってしまいそうになります」。―クリスティーヌ,19歳。
もっと睡眠が必要ですか。こうしてみるのはどうですか。
夜ふかしをしない。「寝る時間が遅くならないようにしています」と,18歳のキャサリンは言います。
おしゃべりをやめる。21歳のリチャードはこう述べています。「すごく遅い時間に電話やメールをしてくる友達がいますが,最近は早く切り上げて寝るようにしています」。
決まった時間に寝起きする。「今は毎日,できるだけ同じ時間に寝て,同じ時間に起きるようにしています」と,20歳のジェニファーは言います。
ワンポイント・アドバイス: 毎晩,少なくとも8時間の睡眠を取ることを目指しましょう。
このように体のことを考えて少し努力すると,たくさんの益が得られます。忘れないでください。健康であれば,外見は良くなり,気分はさわやかになり,体調も良くなります。自分ではどうにもならない事柄とは違い,体のコンディションは自分である程度コントロールできるのです。19歳のエリンが言うとおり,「健康でいられるかどうかは,自分次第です」。
服装のことになると,親と意見が合いませんか。どうすれば双方の納得できる結論を出せるでしょうか。
[脚注]
^ 11節 自分ではどうにもならない健康上の問題や障害のある人もいます。この章の内容は,そのような人にとっても,健康状態をいくらか良くする助けになるでしょう。
かぎとなる聖句
『体の訓練は益がある』。―テモテ第一 4:8。
アドバイス
一緒に運動してくれる人を見つけましょう。『相手をがっかりさせないためにも頑張ろう』という気持ちになります。
知っていましたか
運動すると,エンドルフィンという脳内化学物質が分泌されます。エンドルフィンには,痛みを和らげ,気分をさわやかにする働きがあります。
やろうと思うこと
食習慣の面での現実的な目標 __________
運動の面での現実的な目標 __________
これから1か月間,睡眠を毎晩平均__________時間取る
この章の内容で親に聞きたいこと __________
考えてみましょう
● きちんと健康管理をすることは,どのように自信につながりますか。
● 体の健康管理よりも大切なのは何ですか。―テモテ第一 4:8。
[74ページの拡大文]
“運動すると,気分がとても良くなります。外見も良くなって,自信が持てるようになるんです。”― エミリー
[73ページの囲み記事]
『生活の仕方を変えました』
「十代になったころ,わたしは太りすぎていました。そんな体形にはなりたくなかったので,自分の姿を見るたびに落ち込んでいました。すごく効果があると言われるダイエット法をあれこれ試しましたが,すぐにリバウンドしてしまいました。それで15歳の時,絶対変わろうと決心しました。ずっと続けられる正しい方法で減量したいと思い,栄養学の基礎とエクササイズの方法を解説した本を買ってきて,読んだことを実行しました。誘惑に負けたり気落ちしたりしてもやめない,と決意しました。そうしたら,うまくいきました! 1年で25㌔も減量でき,この2年間,理想体重をキープしています。自分にできたなんて,信じられません。成功の理由は,ただダイエットするのではなく,生活の仕方を変えたことだと思います」。―キャサリン,18歳。
[74ページの図版]
健康は車と似ている。メンテナンスを怠ると故障する