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 第​2​章

「まことの神と共に歩んだ」人

「まことの神と共に歩んだ」人

1,2. ノア​と​その​家族​は,どんな​仕事​に​取り組ん​で​い​まし​た​か。どんな​問題​に​直面​し​まし​た​か。

ノア​は,背筋​を​伸ばし,痛む​筋肉​を​ほぐし​ます。太い​木​の​梁​に​座っ​て,形​に​なっ​て​き​た​巨大​な​箱船​を​眺め​ながら,一休み​し​て​いる​ところ​です。辺り​に​は,熱し​た​タール​の​刺激臭​が​漂い,木​を​加工​する​音​が​響い​て​い​ます。そこ​から​は,材木​を​組ん​だ​大きな​建造​物​の​あちこち​で​懸命​に​働く​息子​たち​の​姿​が​見え​ます。愛する​妻​と​息子​たち​夫婦​は,もう​何十​年​も​一緒​に​この​仕事​に​取り組ん​で​くれ​て​い​ます。工程​は​かなり​進ん​で​い​ます​が,完成​まで​に​は​まだ​時間​が​かかり​そう​です。

2 この​地域​の​人々​は,ノア​の​家族​を​愚か者​と​み​なし,箱船​の​形​が​はっきり​し​て​くる​と,大​洪水​が​起き​て​全地​が​水​に​覆わ​れる​と​いう​考え​を​ますます​あざ笑い​ます。ノア​の​警告​し​続ける​大​惨事​が​起きる​こと​など​あり得​ない,ばかげ​て​いる,と​思っ​て​い​ます。そんな​愚か​な​仕事​の​ため​に​自分​と​家族​の​人生​を​無駄​に​する​なんて​考え​られ​ない,と​感じ​て​いる​の​です。しかし,ノア​の​神​エホバ​は,ノア​の​こと​を​全く​違う​観点​から​見​て​おら​れ​ます。

3. ノア​は​どの​よう​な​意味​で​神​と​共​に​歩み​まし​た​か。

3 聖書​に​は,「ノア​は​まこと​の​神​と​共​に​歩ん​だ」と​記さ​れ​て​い​ます。創世記 6:9を​読む。これ​は,神​が​地上​を​歩か​れ​た​と​か,ノア​が​何らか​の​仕方​で​天​へ​行っ​た,と​いう​意味​で​は​あり​ませ​ん。ノア​は​自分​の​神​エホバ​に​しっかり​と​従い,エホバ​を​深く​愛し​て​い​た​の​で,あたかも​神​の​友​と​し​て​神​と​一緒​に​歩ん​で​いる​か​の​よう​だっ​た,と​いう​意味​です。数千​年​後​に​聖書​は​ノア​に​つい​て,「信仰​に​よっ​て,彼​は​世​を​罪​に​定め」た,と​述べ​まし​た。(ヘブ 11:7)それ​は​どう​いう​こと​でしょ​う​か。今日​の​わたしたち​は,ノア​の​信仰​から​どんな​こと​を​学べ​ます​か。

ねじけ​た​世​に​あっ​て​とが​の​ない​者

4,5. ノア​の​時代​に,世​で​は​どの​よう​に​悪​が​増し​て​い​まし​た​か。

4 ノア​は,急激​に​悪​が​増す​世​の​中​で​成長​し​まし​た。世​は,ノア​の​曾祖父​エノク​の​時代​に​すでに​悪く​なっ​て​い​まし​た。エノク​も​神​と​共​に​歩ん​だ​義人​で,世​の​不​敬虔​な​人々​に​裁き​の​日​が​臨む​こと​を​予告​し​て​い​まし​た。そして​ノア​の​時代​に, 人々​は​ますます​不​敬虔​に​なっ​て​い​まし​た。エホバ​の​見地​から​すれ​ば,地​は​損なわ​れ​て​い​まし​た。暴虐​で​満ち​て​い​た​の​です。(創 5:22; 6:11。ユダ 14,15)一体​どうして​それ​ほど​悪く​なっ​た​の​でしょ​う​か。

5 神​の​霊​の​子​で​ある​み使い​たち​の​間​で,大変​な​こと​が​起き​て​い​まし​た。み使い​の​ひとり​が,エホバ​神​を​中傷​し,アダム​と​エバ​を​誘惑​し​て​罪​を​犯さ​せる​こと​に​より​神​に​反逆​し,悪魔​サタン​と​なっ​て​い​た​の​です。そして​ノア​の​時代​に​なる​と,他​の​み使い​たち​の​中​に​も,エホバ​の​正当​な​支配​に​反抗​する​者​が​現われ​まし​た。彼ら​は,神​から​与え​られ​て​い​た​天​で​の​持ち場​を​放棄​し,地上​に​来​て​人間​の​姿​を​とり,美しい​女性​たち​を​妻​と​し​まし​た。それら​反逆​し​た​高慢​で​自己​中心​的​な​み使い​たち​は,人類​に​有害​な​影響​を​もたらし​まし​た。―創 6:1,2。ユダ 6,7

6. ネフィリム​は​当時​の​世​の​精神​に​どんな​影響​を​与え​まし​た​か。エホバ​は​どう​する​こと​に​なさい​まし​た​か。

6 さらに,肉体​を​着け​た​み使い​と​人間​の​女性​と​の​不​自然​な​結びつき​に​よっ​て,異常​な​まで​に​体​が​大きく​力​が​強い,混血​の​子ども​が​生み出さ​れ​まし​た。聖書​は​それら​の​者​を​ネフィリム​と​呼ん​で​い​ます。その​名​に​は,「倒す​者​たち」つまり​他​の​人​を​倒れ​させる​者​たち,と​いう​意味​が​あり​ます。ネフィリム​は​ひどく​凶暴​だっ​た​の​で,当時​の​世​の​精神​は​ますます​残忍​で​不​敬虔​な​もの​に​なり​まし​た。創造​者​から​見​て,「人​の​悪​が​地​に​あふれ,その​心​の​考え​の​すべて​の​傾向​が​終始​ただ​悪​に​向かう」状態​で​あっ​た​の​も​うなずけ​ます。エホバ​は,その​邪悪​な​社会​を​120​年​後​に​拭い去る​こと​に​なさい​まし​た。―創世記 6:3‐5を​読む。

7. ノア​と​妻​は​当時​の​悪い​影響​から​息子​たち​を​守る​うえ​で,どんな​問題​に​直面​し​まし​た​か。

7 その​よう​な​世​の​中​で​子ども​を​育てる​の​は​大変​だっ​た​に​違いあり​ませ​ん。 それでも​ノア​は,良い​家庭​を​築き​まし​た。良い​妻​を​見いだし,500​歳​を​過ぎ​た​時​に,3​人​の​息子​たち ― セム,ハム,ヤペテ ― を​もうけ​まし​た。 * ノア​は​妻​と​力​を​合わせ​て,息子​たち​を​周囲​の​悪い​影響​から​守る​必要​が​あり​まし​た。男​の​子​は「力​ある​者​たち」や「名​ある​人々」を​かっこいい​と​思っ​たり,あこがれ​の​目​で​見​たり​する​もの​です。ネフィリム​は​まさに​その​よう​な​強く​て​有名​な​者​たち​でし​た。ノア​と​その​妻​は,それら​巨人​たち​の​武勇​伝​が​子ども​たち​の​耳​に​一切​入ら​ない​よう​に​する​こと​は​でき​なかっ​た​でしょ​う。それでも,エホバ​神​に​つい​て​の​魅力​的​な​真理​を​教える​こと​は​でき​た​はず​です。エホバ​は​あらゆる​悪​を​憎ま​れる​方​です。ノア​は,エホバ​が​世​に​見​られる​暴力​と​反抗​の​精神​に​心​を​痛め​て​おら​れる​こと​を,息子​たち​が​理解​する​よう​助け​なけれ​ば​なり​ませ​ん​でし​た。―創 6:6

ノア​と​妻​は​子ども​たち​を​悪い​影響​から​守る​必要​が​あっ​た

8. 今日,賢明​な​親​は​ノア​と​その​妻​の​模範​に​どの​よう​に​倣え​ます​か。

8 今日,親​で​ある​人​は,ノア​と​妻​の​気持ち​が​よく​分かる​か​も​しれ​ませ​ん。今​の​世​も​暴力​や​反抗​的​な​精神​に​染まっ​て​い​ます。街​で​は,若者​の​不良​グループ​が​好き​勝手​に​振る舞っ​て​い​ます。幼い​子ども​向け​の​アニメ,絵本,ゲーム​など​に​も​暴力​が​あふれ​て​い​ます。賢明​な​親​は,そう​し​た​影響​力​に​立ち向かう​ため​最善​を​尽くし​ます。子ども​に,暴力​すべて​を​間​も​なく​終わらせる​平和​の​神​エホバ​に​つい​て​教える​の​です。(詩 11:5; 37:10,11)そう​する​こと​は​可能​です。ノア​と​妻​の​努力​は​報わ​れ​まし​た。息子​たち​は​成長​し​て​立派​な​大人​と​なり,自分​たち​と​同様,まこと​の​神​エホバ​を​生活​の​中​で​第​一​に​する​女性​と​結婚​し​まし​た。

「あなた​自身​の​ため​に……箱船​を​造り​なさい」

9,10. (イ)エホバ​から​の​どんな​命令​に​よっ​て,ノア​の​人生​は​一変​し​まし​た​か。(ロ)エホバ​は​ノア​に​箱船​の​構造​と​目的​に​つい​て,どんな​こと​を​明らか​に​され​まし​た​か。

9 ある​日,ノア​の​人生​は​一変​し​ます。エホバ​神​が​愛する​僕​ノア​に,当時​の​世界​を​終わらせる​と​いう​ご自分​の​目的​を​告げ,「あなた​自身​の​ため​に,やに質​の​木​の​材​で​箱船​を​造り​なさい」と​お命じ​に​なっ​た​の​です。―創 6:14

10 その​箱船​は,一般​的​な​船​の​形​を​し​た​もの​で​は​あり​ませ​ん。船首​や​船尾​も,竜骨​や​舵​も​なく,丸み​を​帯び​た​部分​も​ない,一​種​の​巨大​な​箱​だっ​た​の​です。エホバ​は​ノア​に​箱船​の​正確​な​寸法​や​構造​に​関する​詳細​な​点​を​知らせ,箱船​の​内側​と​外側​を​タール​で​覆う​よう​に​と​の​指示​を​与え​ます。その​理由​に​つい​て,「わたし​は​いま,地​に​大​洪水​を​もたら(す)。地​に​ある​もの​は​すべて​息絶える​で​あろ​う」と​お告げ​に​なり​ます。しかし,ノア​と​は​契約​つまり​正式​な​協定​を​結び,こう​言わ​れ​ます。「あなた​は​箱船​に​入ら​ね​ば​なら​ない。あなた​も,また​あなた​の​息子​たち,妻,息子​たち​の​妻​も​あなた​と​共​に」。そして,あらゆる​種類​の​動物​の​代表​種​を​ 箱船​に​入れる​よう​お命じ​に​なり​ます。箱船​に​入っ​た​もの​だけ​が,やがて​生じる​大​洪水​を​生き残れる​の​です。―創 6:17‐20

ノア​と​家族​は​神​の​命令​に​従っ​て​一緒​に​働い​た

11,12. どんな​膨大​な​仕事​が​ノア​を​待ち受け​て​い​まし​た​か。ノア​は​どう​し​まし​た​か。

11 膨大​な​仕事​が​ノア​を​待ち受け​て​い​まし​た。その​箱船​は​巨大​で,全長​133​㍍,幅​22​㍍,高さ​13​㍍​ほど​も​あり,現代​に​建造​さ​れ​た​最も​大きな​遠洋​航海​用​の​木造​船​より​はるか​に​大きな​もの​です。ノア​は,その​任務​から​逃げ​よう​と​し​たり,難しさ​に​不平​を​言っ​たり,少し​でも​楽​を​する​ため​に​手​を​抜い​たり​し​た​でしょ​う​か。聖書​に​は​こう​あり​ます。「ノア​は​すべて​神​から​命じ​られ​た​とおり​に​し​て​いっ​た。まさに​その​とおり​に​行なっ​た」。―創 6:22

12 完成​まで​に​は,何十​年​も,おそらく​四,五十​年​は​かかっ​た​でしょ​う。木​を​切り倒し,丸太​を​運び,材木​に​し,加工​し​て​組ま​なけれ​ば​なり​ませ​ん​でし​た。箱船​は,3​階​建て​で,たくさん​の​部屋​に​仕切ら​れ,側面​に​一つ​の​扉​が​設け​られる​こと​に​なっ​て​い​まし​た。上部​に​は​窓​が​幾つ​も​並び,屋根​は​中央​が​少し​高く​なっ​て​い​て,水​が​流れ落ちる​よう​傾斜​が​つい​て​い​た​よう​です。―創 6:14‐16

13. ノア​の​仕事​の​どんな​面​は,箱船​の​建造​より​難しかっ​た​と​思わ​れ​ます​か。人々​は​それ​に​対し​て​どんな​反応​を​示し​まし​た​か。

13 年月​が​経過​し,箱船​の​形​が​はっきり​し​て​くる​に​つれ,ノア​は​家族​の​支え​を​非常​に​ありがたく​思っ​た​こと​でしょ​う。ノア​の​仕事​に​は​別​の​面​も​あり,それ​は​箱船​の​建造​より​ずっ​と​難しかっ​た​と​思わ​れ​ます。聖書​に​よる​と,ノア​は「義​の​伝道​者」でし​た。ペテロ​第​二 2:5を​読む。神​を​認め​ない​当時​の​邪悪​な​社会​の​人々​に,臨も​う​と​し​て​いる​滅び​に​つい​て​警告​する​点​で,勇気​を​もっ​て​率先​し​た​の​です。人々​は​どんな​反応​を​示し​まし​た​か。後​に​イエス​・​キリスト​は,ノア​の​時代​に​つい​て,人々​は「注意​し​ませ​ん​でし​た」と​述べ​て​い​ます。彼ら​は,日常​の​事柄 ― 食べ​たり​飲ん​だり​結婚​し​たり​する​こと​など ― に​かまけ​て,ノア​の​言葉​を​全く​気​に​留め​ませ​ん​でし​た。(マタ 24:37‐39)多く​の​人​が​ノア​と​家族​を​あざけっ​た​に​違いあり​ませ​ん。脅し​を​加え​たり​激しく​反対​し​たり​する​人​たち​も​い​た​こと​でしょ​う。箱船​の​建造​を​妨害​し​よう​と​する​人​さえ​い​た​か​も​しれ​ませ​ん。

ノア​が​神​の​祝福​を​得​て​いる​証拠​が​あっ​た​に​も​かかわら​ず,人々​は​ノア​を​あざけり,その​音信​を​無視​し​た

14. 今日​の​クリスチャン​家族​は,ノア​と​その​家族​から​どんな​こと​を​学べ​ます​か。

14 それでも,ノア​と​家族​は​やめ​ませ​ん​でし​た。自分​たち​の​人生​に​おける​主要​な​事柄​を,見当​違い​で​つまらない​こと,または​愚か​な​こと​の​よう​に​思わ​せ​よう​と​する​世​に​い​まし​た​が,忠実​に​その​仕事​を​続け​まし​た。今日​の​クリスチャン​家族​は,ノア​と​その​家族​の​信仰​から​多く​を​学べ​ます。今​は,聖書​で​世界​的​な​事物​の​体制​の「終わり​の​日」と​呼ば​れ​て​いる​時代​だ​から​です。(テモ​二 3:1)イエス​は​現代​に​つい​て,まさに​ノア​が​箱船​を​建造​し​た​時代​の​よう​に​なる,と​言い​まし​た。神​の​王国​の​音信​に​対する​世​の​人々​の​無​関心​な​態度,あざけり,さらに​は​迫害​に​直面​ し​た​なら,ノア​の​こと​を​思い起こし​ましょ​う。そう​し​た​問題​に​直面​する​の​は,わたしたち​が​初めて​で​は​ない​の​です。

「箱船​に​入り​なさい」

15. ノア​は​600​歳​に​なろ​う​と​し​て​い​た​頃,だれ​と​の​死別​を​経験​し​まし​た​か。

15 幾十​年​か​過ぎ,箱船​が​完成​に​近づき​まし​た。ノア​は,600​歳​に​なろ​う​と​し​て​い​た​頃,家族​と​の​死別​を​経験​し​ます。まず,父親​の​レメク​が​亡くなり​ます。 * その​5​年​後​に,レメク​の​父親​で​ノア​の​祖父​で​ある​メトセラ​が​969​歳​で​亡くなり​まし​た。その​年齢​は,聖書​に​記録​さ​れ​て​いる​人間​の​寿命​と​し​て​は,一番​長い​もの​です。(創 5:27)メトセラ​も​レメク​も,最初​の​人間​アダム​と​同​時代​の​人​でし​た。

16,17. (イ)ノア​は​600​歳​の​時​に​どんな​新た​な​指示​を​受け​まし​た​か。(ロ)ノア​と​家族​が​見​た​忘れ​難い​光景​と​は​どの​よう​な​もの​でし​た​か。

16 族長​ノア​は​600​歳​の​時​に,エホバ​神​から,「あなた​と​あなた​の​家​の​者​たち​は​みな​箱船​に​入り​なさい」と​いう​新た​な​指示​を​受け​ます。また,あらゆる​種類​の​動物​を​箱船​の​中​に​入れる​よう​告げ​られ​ます。犠牲​に​用いる​こと​の​できる​清い​動物​を​7​匹​ずつ,それ​以外​の​動物​を​2​匹​ずつ​入れる​の​です。―創 7:1‐3

17 それ​は​忘れ​難い​光景​だっ​た​に​違いあり​ませ​ん。地平線​の​かなた​から,あり​と​あらゆる​動物​たち​が​続々​と​集まっ​て​き​ます。歩い​たり,飛ん​だり,這っ​たり​し​て​ 来​ます。ひょこひょこ​と,あるいは​のっしのっし​と​やっ​て​来る​もの​も​い​ます。大きさ​も​姿​も​性質​も​びっくり​する​ほど​様々​です。ノア​は,それら​野生​動物​すべて​を​必死​に​なっ​て​捕まえ​たり,集め​たり,なだめ​たり​し​て,箱船​の​中​の​限ら​れ​た​スペース​に​入れ​よう​と​し​た​の​でしょ​う​か。そう​で​は​あり​ませ​ん。動物​たち​は「ノア​の​ところ​へ,箱船​の​中​へ​入っ​た」と​記さ​れ​て​い​ます。―創 7:9

18,19. (イ)ノア​の​記述​の​出来事​に​関し,ある​人​たち​が​抱く​疑問​に​つい​て,どの​よう​な​結論​を​引き出せ​ます​か。(ロ)エホバ​が​動物​たち​を​救う​ため​に​選ば​れ​た​方法​に​は,神​の​知恵​が​どの​よう​に​表われ​て​い​ます​か。

18 『それ​は​あり得​ない。そう​し​た​動物​すべて​が​狭い​所​で​仲良く​一緒​に​いら​れる​だろ​う​か』と​疑う​人​も​いる​でしょ​う。しかし,全​宇宙​を​創造​し​た​神​に​とっ​て,動物​たち​を​従わせ,必要​に​応じ​て​人​に​なつか​せ,おとなしく​させる​の​は​無理​な​こと​でしょ​う​か。思い出し​て​ください,エホバ​は​動物​を​造ら​れ​た​方​です。ずっ​と​後​に​は,紅海​の​水​を​分け​たり,太陽​を​静止​さ​せ​たり​され​まし​た。その​神​が,ノア​の​記述​に​出​て​くる​事柄​を​行なえ​ない​わけ​が​あり​ませ​ん。実際,行なわ​れ​た​の​です。

19 神​は​動物​たち​を​別​の​方法​で​救う​こと​も​でき​た​はず​です。ところが,神​は​適切​に​も,人間​に​委ね​た​本来​の​責任​を​思い出さ​せる​よう​な​方法​を​選ば​れ​まし​た。その​責任​と​は,地上​の​すべて​の​生き物​を​世話​する​こと​です。(創 1:28)それで,今日​の​親​の​中​に​は,子ども​に​ノア​の​物語​を​話し​て,エホバ​が​ご自分​の​造っ​た​動物​や​人間​を​大切​に​思っ​て​おら​れる​こと​を​教え​て​いる​人​は​少なく​あり​ませ​ん。

20. 大​洪水​前​の​一​週​間,ノア​と​家族​は​どんな​こと​に​忙しかっ​た​か​も​しれ​ませ​ん​か。

20 エホバ​は​ノア​に,1​週​間​後​に​大​洪水​が​生じる,と​お告げ​に​なり​ます。ノア​ の​家族​は​大忙し​だっ​た​はず​です。すべて​の​動物​と,その​餌​や​家族​の​食料​を​所定​の​場所​に​入れ,持ち物​を​運び込む​必要​が​あっ​た​から​です。ノア​の​妻​と,セム,ハム,ヤペテ​の​妻​たち​は,箱船​で​快適​に​過ごせる​よう​気​を​配っ​た​こと​でしょ​う。

21,22. (イ)ノア​の​時代​の​人々​が​無​関心​だっ​た​こと​に​驚く​べき​で​ない​の​は​なぜ​です​か。(ロ)ノア​と​その​家族​に​対する​人々​の​あざけり​は​いつ​止み​まし​た​か。

21 その​時,人々​は​どう​し​て​い​まし​た​か。ノア​と​その​努力​を​エホバ​が​祝福​し​て​いる​多く​の​証拠​を​見​て​い​た​に​も​かかわら​ず,依然​と​し​て「注意​し​ませ​ん​でし​た」。動物​たち​が​続々​と​箱船​に​入っ​て​行く​の​を​目​に​し​て​い​た​の​に,無​関心​だっ​た​の​です。しかし,それ​は​意外​な​こと​で​は​あり​ませ​ん。今日​の​人々​も,今​が​世界​的​な​事物​の​体制​の​終わり​の​日​で​ある​こと​を​示す​圧倒​的​な​証拠​が​ある​の​に,注意​し​ませ​ん。使徒​ペテロ​の​予告​どおり,あざける​者​たち​が​あざけり​を​抱い​て​やっ​て​来​て,神​の​警告​に​従う​人​たち​を​ばか​に​し​て​い​ます。ペテロ​第​二 3:3‐6を​読む。古代​の​人々​も,ノア​と​家族​を​あざけっ​た​こと​でしょ​う。

22 そう​し​た​あざけり​は,いつ​止ん​だ​でしょ​う​か。記述​に​よる​と,ノア​が​自分​の​家族​と​動物​たち​を​箱船​の​中​に​入れ​終わっ​た​時,「エホバ​は​彼​の​後ろ​の​戸​を​閉じ​られ」まし​た。あざける​者​たち​が​近く​に​い​た​と​すれ​ば,神​の​その​行動​を​見​て,何​も​言え​なく​なっ​た​に​違いあり​ませ​ん。少なく​と​も,雨​が​降っ​て​き​た​時​に​は,沈黙​し​た​こと​でしょ​う。そして,本当​に​雨​が​降り​始め​まし​た。何​日​も​何​日​も​降り続け,エホバ​の​予告​どおり,全​世界​が​水​に​覆わ​れ​まし​た。―創 7:16‐21

23. (イ)エホバ​が​ノア​の​時代​の​邪悪​な​人々​の​死​を​喜ば​れ​なかっ​た​と​言える​の​は​どうして​です​か。(ロ)今日,ノア​の​信仰​に​倣う​の​が​賢明​な​の​は​なぜ​です​か。

23 エホバ​は,それら​邪悪​な​人々​の​死​を​喜ば​れ​まし​た​か。決して​その​よう​な​こと​は​あり​ませ​ん。(エゼ 33:11)むしろ​人々​に,歩み​を​改めて​正しい​こと​を​する​機会​を​十分​与え​て​おら​れ​まし​た。では,彼ら​が​そう​する​こと​は​可能​だっ​た​の​でしょ​う​か。ノア​の​生き方​は​その​答え​と​なっ​て​い​ます。ノア​は,エホバ​と​共​に​歩ん​で​あらゆる​点​で​神​に​従う​なら,生き残る​こと​は​可能​で​ある,と​いう​こと​を​示し​まし​た。その​よう​な​意味​で,ノア​の​信仰​は,当時​の​世​を​罪​に​定め,その​世代​の​邪悪​さ​を​明らか​に​し​た​の​です。ノア​は,信仰​に​よっ​て​自分​と​家族​を​守り​まし​た。あなた​も,ノア​の​信仰​に​倣う​なら,あなた​自身​と​家族​に​大きな​益​を​もたらせ​ます。ノア​の​よう​に,エホバ​神​を​友​と​し​て​歩む​こと​が​できる​の​です。その​友情​は​永遠​に​続き​ます。

^ 7節 当時​の​人々​は,現代​の​わたしたち​より​はるか​に​長生き​でし​た。それ​は​人々​が,かつて​アダム​と​エバ​が​有し​て​い​た,活力​に​あふれ​完全​性​を​備え​た​状態​に​近かっ​た​こと​と​関係​が​ある​よう​です。

^ 15節 レメク​は​息子​を​ノア​と​名づけ​まし​た。その​名​に​は,「休息」または「慰め」と​いう​意味​が​あっ​た​よう​です。レメク​は,ノア​が​その​名​の​示す​とおり,のろわ​れ​た​地面​に​おける​労苦​から​の​休息​を​人類​に​もたらす​で​あろ​う,と​預言​し​まし​た。(創 5:28,29)レメク​が​生き​て​その​成就​を​見る​こと​は​あり​ませ​ん​でし​た。ノア​の​母親​や​兄弟​や​姉妹​は,大​洪水​で​滅び​た​の​か​も​しれ​ませ​ん。