サウルが死しぬと，ダビデは30さいで王おうになりました。それから何なん年ねんもたったある夜よる，ダビデは王おうの家いえの屋おく上じょうから美うつくしい女じょ性せいを見みかけます。その女じょ性せいはバテ･シバという名な前まえで，ウリヤという兵へい士しの妻つまだと分わかりました。ダビデはバテ･シバを王おうの家いえに呼よびます。2人ふたりは性せい的てきな関かん係けいを持もって，バテ･シバはにんしんします。ダビデは自じ分ぶんがしたことをかくそうとします。ダビデは将しょう軍ぐんに，ウリヤだけを戦たたかいの一いち番ばん激はげしい所ところに残のこしてほかの人ひとは引ひき返かえさせなさい，と言いいました。そしてウリヤが戦たたかいで死しぬと，ダビデはバテ･シバとけっこんしました。

エホバはこの時ときの悪わるいことを全ぜん部ぶ見みていました。どうするでしょうか。預よ言げん者しゃナタンをダビデの所ところに行いかせます。ナタンは言いいます。「お金かね持もちの人ひとが羊ひつじをたくさん持もっていましたが，貧びんぼうな人ひとが持もっていたのは子こ羊ひつじ1ぴきだけで，それをとてもかわいがっていました。ところがお金かね持もちの人ひとは，貧びんぼうな人ひとのたった1ぴきの子こ羊ひつじを取とり上あげました」。ダビデがおこって，「そんなやつは死しけいにするべきだ！」と言いうと，ナタンは，「それはあなたです！」と言いいました。ダビデはひどく心こころを痛いためて自じ分ぶんの罪つみを認みとめ，「私わたしはエホバに対たいして罪つみを犯おかしました」とナタンに言いいました。この罪つみのせいで，ダビデと家か族ぞくに問もん題だいがたくさん起おきます。エホバはダビデにばつをあたえましたが，死しけいにはしませんでした。ダビデが正しょう直じきで，けんそんだったからです。

ダビデはエホバのために神しん殿でんを建たてたいと思おもいましたが，エホバはダビデの息子むすこ ソロモンに建たてさせることにします。ダビデはソロモンのためにいろいろなものを用よう意いし始はじめて，こう言いいます。「エホバの神しん殿でんは立りっ派ぱで美うつくしいものでないといけない。ソロモンはまだ若わかい。ソロモンのために用よう意いしておこう」。ダビデは，建けん設せつのためにたくさんのお金かねを寄き付ふします。技ぎ術じゅつを持もつ人ひとたちを集あつめ，金きんや銀ぎんを用よう意いし，ティルスとシドンからスギを持もってこさせました。ダビデは死しぬ前まえに，神しん殿でんの設せっ計けい図ずをソロモンにわたして言いいました。「エホバはあなたのために，私わたしにこれを書かかせた。エホバが助たすけてくださる。おそれてはいけない。勇ゆう気きを出だし，取とりかかりなさい」。