2017年5月25日,完全武装した警察官と連邦保安局(FSB)の職員が,ロシアのオリョールで平和裏に行なわれていたエホバの証人の宗教活動の場に踏み込みました。当局は,過激主義的な組織の活動を続けているとして,証人たちの刑事告発を始めると宣言しています。政府は2016年6月14日に,過激主義を理由にオリョールの地方宗教組織を解散させていました。さらに,当局は出席者全員の個人情報を記録し,電子機器を押収しました。その後,オリョールにある証人たちの家を捜索しました。

当局はオリョール会衆の男性たちを連邦保安局の施設に連れて行き,デンマーク人であり,会衆の長老であるデニス・クリステンセンを拘束しました。検察は,ソビエツキー地区裁判所に対して,クリステンセン氏の公判前勾留を緊急に請求しました。それは,公判請求するための証拠や証人を集める時間を連邦保安局に与えるためです。スベトラーナ・ナウモバ裁判官は勾留請求を認め,クリステンセン氏に2か月間の公判前勾留を命じました。本日,この勾留決定に対する異議申し立てが提出される予定です。有罪判決が下されれば,刑法第282.2条第1項に基づき,6年から10年の懲役刑が科される恐れがあります。

オリョールにあるエホバの証人の会衆は,法人組織としてではなく,崇拝者の集まりとして宗教活動を行なっていました。今回の事件により,ロシア当局は証人たちの法人組織だけでなく,崇拝そのものをターゲットにしていることが明らかになりました。これは,タガンログにいる証人たちの経験に似ています。タガンログでは,当局がまず地方宗教組織を解散させてから,平和的に崇拝を行なっていた会衆の16人の成員を過激主義の容疑で刑事告発しました。2015年11月に,16名すべての有罪が確定しましたが,懲役刑の執行は猶予され,罰金刑も免除されています。この件に関して現在,ヨーロッパ人権裁判所が訴えを審理しています。