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エリトリア

信仰ゆえに投獄される エリトリア

信仰ゆえに投獄される エリトリア

2020年12月4日,信仰ゆえに投獄されていたエホバの証人28人(男性26人と女性2人)が釈放されました。それぞれ5年から26年を刑務所で過ごしました。2021年1月29日,12年以上投獄されていた男性1人が釈放されました。さらに3人(男性1人と女性2人)が2021年2月1日に釈放されました。それぞれ4年から9年を刑務所で過ごしました。現在,エホバの証人20人(男性14人と女性6人)が投獄されています。

エリトリアのエホバの証人は,宗教活動や明らかにされていない他の理由で,裁判も正式な起訴手続きも経ずに逮捕,投獄されています。その中には,女性や年配者も含まれています。アフェウェルキ大統領は,1994年10月25日の大統領命令により,エホバの証人の市民権を剝奪しました。エホバの証人が,独立の是非を問う1993年の国民投票に参加せず,良心的に兵役を拒否しているというのがその理由です。兵役を強制する前,エリトリアの当局は純粋に市民的な代替奉仕活動を設けていました。現在とは異なる政府の管理下で,多くのエホバの証人がその奉仕に参加していました。当局は組織的に「国家奉仕終了証書」を発行し,代替奉仕活動に参加した人を表彰することもよくありました。しかし,今や大統領命令を受けたエリトリアの治安当局は,エホバの証人の信仰を捨てさせようとして,投獄,拷問,嫌がらせを行っています。

過酷な状況で投獄されていたエホバの証人が亡くなる

エリトリアで,4人のエホバの証人が収監中に命を落としました。そして,獄中の劣悪な環境が原因で,3人の年配のエホバの証人が,釈放された後に亡くなりました。

2018年には,2人のエホバの証人がマイ・セルバ刑務所に移送された後に亡くなりました。1月3日に76歳のハブタミカエル・テスファマリアムが,そして,3月6日に77歳のハブタミカエル・メコーネンが亡くなりました。2人は2008年に,エリトリア当局により何の理由もなく収監されました。

2011年と2012年には,2人のエホバの証人がメヒティル収容所で非人道的な扱いを受けたために亡くなりました。ミスギナ・ゲブレティンサエは,収容所の「地下」と呼ばれる懲罰用の場所で極度の暑さにさらされたため,2011年7月に62歳で亡くなりました。ヨハンネス・ハイレも,同じような状況に4年近く置かれた後,2012年8月16日に68歳で亡くなりました。3人の年配のエホバの証人,カーサイ・メコネン,ゴイトム・ゲブレクリストス,ツェハエ・テスファマリアムは,メヒティル収容所で耐え難い状況に置かれていたため釈放後に亡くなりました。

著名な人権機関の勧告が無視される

エリトリアは国際人権基準を無視し続けています。主立った人権機関は,エリトリアが基本的権利を侵害していることを非難し,状況を正すようしきりに促しています。

2014年に人権理事会(HRC)は,エリトリアでの人権問題に関する報告書を特別報告者から受け取りました。これは,「国際的な規範に従って」良心的兵役拒否の権利を尊重するよう当局に勧告するもので,「刑務所にいる全ての人の身体的健全性を保証し,必要とする医療を受けられるようにすること,刑務所での環境を国際基準に従って改善すること」を求めています。2015年の決議で,HRCはエリトリア政府に対し,「良心的兵役拒否のための制度を設ける」よう求めました。

2016年,エリトリア人権調査委員会は,エリトリア当局による,エホバの証人や他の人の「宗教及び民族を理由とした迫害」は「人道に対する罪」に該当するとしました。

2017年,子どもの権利と福祉に関するアフリカ専門家委員会(ACERWC)は,懸念を表明しました。法的保護手段があるにもかかわらず,「エホバの証人の子ども」はその権利の恩恵を受けることができず,過酷な扱いを受けているからです。ACERWCはエリトリアに対し,「子どもの思想,良心及び宗教の自由を認め,差別することなく十分に実施する」よう勧告しました。

2018年,人および人民の権利に関するアフリカ委員会は,「エホバの証人を含め,収監された全ての人の基本権が否定されたことに対して,方策を緊急に講じるように」と勧告しました。また,刑務所で亡くなったと報告されたエホバの証人の死について調査するよう求めました。委員会はエリトリアに対し,エホバの証人が確実に「市民権を保持する」ことができるようにする必要性を強調しました。

2019年5月,国連の規約人権委員会(CCPR)はエリトリアに対し,宗教および信念の自由を実際に行使することを保障し,「宗教の自由を行使したために逮捕され収監された,エホバの証人を含め全ての人を釈放する」よう促しました。また,「良心的兵役拒否の法的承認を確実に行い,良心的兵役拒否者のために,市民的な奉仕の性質を持つ代替奉仕を提供する」ことを求めました。

国連の特別報告者はエリトリア政府に対し,2021年5月12日の報告書の中で次のように求めました。「起訴したり裁判したりすることなく,信仰や信条ゆえに投獄されている人全てを,直ちに,無条件に釈放するように。それには20人のエホバの証人も含まれる。……さらに,宗教に属していることを理由に市民権を剝奪されたエホバの証人の件を再検討すること,人及び人民の権利に関するアフリカ委員会の勧告を尊重し,エホバの証人が確実に市民権を保持することができるようにし,収監中に亡くなったエホバの証人の死について調査するよう求める」。

無期刑で収容される

収監されているエホバの証人の男性のほとんどは無期限で収容されています。そこで死を迎えるか,瀕死の状態になって釈放されるかのどちらかです。エリトリア国内には彼らが活用できる有効な法的手続きや救済手段はないため,これは事実上の終身刑です。

これまでの経緯

  1. 2022年4月19日

    合計20人のエホバの証人が投獄されている。

  2. 2021年2月1日

    3人のエホバの証人が釈放される。

  3. 2021年1月29日

    1人のエホバの証人が釈放される。

  4. 2020年12月4日

    28人のエホバの証人が釈放される。

  5. 2018年3月6日

    ハブタミカエル・メコーネンが,マイ・セルバ刑務所に移された後,77歳で亡くなる。

  6. 2018年1月3日

    ハブタミカエル・テスファマリアムが,マイ・セルバ刑務所に移された後,76歳で亡くなる。

  7. 2017年7月

    メヒティル収容所に収容されていたすべてのエホバの証人が,アスマラ郊外のマイ・セルバ刑務所に移される。

  8. 2014年7月25日

    4月14日に逮捕された人のほとんどは釈放されたものの,4月27日に逮捕された人のうち20人はまだ勾留されている。

  9. 2014年4月27日

    聖書を学ぶ集会の最中に31人のエホバの証人が逮捕される。

  10. 2014年4月14日

    毎年行われるキリストの死の記念式の際,90人以上のエホバの証人が逮捕される。

  11. 2012年8月16日

    ヨハンネス・ハイレが,投獄中の劣悪な環境のもと68歳で亡くなる。

  12. 2011年7月

    ミスギナ・ゲブレティンサエが,投獄中の劣悪な環境のもと62歳で亡くなる。

  13. 2009年6月28日

    当局は,あるエホバの証人の家で行われていた宗教的な集まりの際に家宅捜索を行い,出席していたエホバの証人23人全員(2歳から80歳まで)を逮捕する。

  14. 2009年4月28日

    当局は,警察署に入れられていたエホバの証人の1人を除く全員をメヒティル収容所に移送する。

  15. 2008年7月8日

    当局は,エホバの証人の家や職場の捜索を始め,24人のエホバの証人を逮捕する。その大半は一家の稼ぎ手。

  16. 2002年5月

    政府によって認可された4つの宗教に属さない全ての宗教団体が解散を命じられる。

  17. 1994年10月25日

    エホバの証人の市民権とそれに伴う基本的な権利を剝奪する大統領命令が出される。

  18. 1994年9月17日

    パウロス・イーヤス,イーサク・モゴス,ネゲデ・テクレマリヤムが起訴手続きや裁判を経ることなく投獄される。

  19. 1940年代

    エリトリアで最初のエホバの証人のグループが設立される。