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「あらゆる良い活動を行う用意が完全に整い」ました!

日本語の「新世界訳聖書」改訂版が発表される

2019年4月13日,神戸市のノエビアスタジアム神戸で,エホバの証人の統治体のスティーブン・レットが日本語の「新世界訳聖書」改訂版を発表しました。メイン会場に加え,当日と翌日に日本各地のさまざまな会場でこの発表を聞いた22万人を超える人たちが胸を躍らせました。

日本のエホバの証人が全巻そろった「新世界訳」を最初に受け取ったのは,1982年のことでした。 * 日本語の「新世界訳」はこれまで合計560万部発行され,全世界で21万人余りいる,日本語を話すエホバの証人に活用されてきました。では,なぜ「新世界訳」は改訂されたのでしょうか。どんな人たちが改訂作業を行いましたか。改訂された「新世界訳」が正確だと言えるのはなぜですか。今回の改訂版の特色は,クリスチャンが「十分な能力を持[ち],あらゆる良い活動を行う用意[を]完全に整」える上でどのように役立つでしょうか。(テモテ第二 3:16,17

なぜ改訂されたのか

言葉は時代と共に変わっていくので,聖書の訳を改訂する必要が生じます。古い言葉が使われていると,内容を十分に理解するのが難しいからです。

エホバ神は元々,人々が普段使っている理解しやすい言語で聖書の各書を記させました。そのことを念頭に置きながら,新世界訳聖書翻訳委員会は2013年10月に英語の「新世界訳」改訂版を発表しました。その前書きにはこうあります。「目指したのは,原文に忠実であるだけでなく,分かりやすく読みやすい翻訳にすることです」。

以前の「新世界訳」日本語版は,1984年に発行された「新世界訳聖書 ― 参照資料付き」英語版に基づくものでした。改訂された「新世界訳」日本語版は,最新の英語版の数多くの変更点を反映しており,表現も見直されて読みやすくなっています。

加えて,英語の「新世界訳」が最初に発表されて以来,聖書の原語であるヘブライ語,アラム語,ギリシャ語を理解する面で,大きな進歩が見られています。「新世界訳」が最初に発行された後に発見された聖書写本もあり,そうした写本によって,聖書翻訳者は聖書の原文がどうなっていたかを見定めることができます。

それで,学者たちがこうだったであろうと考える原文を忠実に表現するために変更された箇所もあります。例えば,幾つかの写本によると,マタイ 7章13節は,「狭い門を通って入りなさい。滅びに至る門は広くてその道は広々としており」となります。「新世界訳」のこれまでの版では,この後者の「門」は含められていませんでしたが,写本の研究が進み,原文に「門」があったことが確かめられたため,改訂版には含められています。同様の校訂が幾つもなされていますが,どれも軽微なもので,神の言葉の基本的な内容は変わっていません。

神の名前「エホバ」が聖書本文にあるべき箇所も新たに6つ見つかりました。裁き人 19章18節,サムエル第一 2章25節,6章3節,10章26節,23章14,16節です。それで,最新の「新世界訳」には神の名エホバが7216回出ており,そのうちの237回はギリシャ語聖書にあります。

発行者は誰か

「新世界訳」は,エホバの証人の法人である,ものみの塔聖書冊子協会により発行されています。エホバの証人は100年以上にわたって世界中で聖書を頒布してきました。「新世界訳」の最初の英語版は,1950年から1960年にかけて新世界訳聖書翻訳委員会により発表されました。委員会のメンバーは決して名声を求めようとせず,死後も名前が伏せておかれることを望みました。(コリント第一 10:31

2008年,エホバの証人の統治体により,新たにクリスチャン男子の一団が新世界訳聖書翻訳委員会として任命され,直ちに英語訳の改訂作業に取り掛かりました。同委員会は,初版の発表以来どのように英語が変化してきたかを検討しました。また,「新世界訳」が120余りの言語に訳される過程で世界中の翻訳者から寄せられた,7万以上の質問に対する回答も参考にしました。

日本語版の改訂はどのように進められたか

まず,熱心なクリスチャンたちが翻訳チームで働くよう任命されました。バランスの取れた質の高い翻訳を行うには,翻訳者が個々で作業するよりもチームで働いた方が良いということが実証されています。(格言 11:14)チームのメンバーは皆,エホバの証人の出版物を翻訳してきた人たちです。そして,改訂を行うに当たって,聖書翻訳の基本原則や,特別に開発されたコンピューター・プログラムの使い方に関する講習を十分に受けました。

翻訳者たちは,コンピューターを活用して聖書の言葉を分析しながら改訂作業を進めました。米国ニューヨーク州の世界本部にある翻訳サービス部門の支援も受けました。エホバの証人の統治体は世界各地の聖書翻訳を見守り,執筆委員会を通して必要な指示を与えます。では実際の作業はどのように行われたのでしょうか。

聖書翻訳チームは,次のような指針を与えられています。(1)正確でなおかつ一般の人に分かりやすく,(2)主な訳語が一貫していて,(3)可能な限り字義的な聖書にすることです。どのようにこうした目標を達成するのでしょうか。今回発表された聖書について考えてみましょう。翻訳チームはまず,以前の「新世界訳」の日本語訳の表現を再考しました。ワッチタワー・トランスレーション・システムというコンピューター・プログラムは,聖書中の関連表現や同義語を表示してくれます。また,原語のギリシャ語やヘブライ語の言葉も表示できるので,翻訳者はそれらの言葉が他の文脈でどのように訳されているかを調べることができます。こうした機能は,日本語訳を再考する上でとても役立ちました。表現の分析に加え,翻訳チームは聖句を節ごとに見直して,自然で分かりやすい訳になるよう心掛けました。

翻訳は,単に語句を置き換えればよいというものではありません。それぞれの文脈で,日本語訳の表現が聖書の考えを正しく伝えているかどうかを確かめるために,多大の努力が払われます。改訂版を読むなら,たくさんの労力が費やされたことが分かるでしょう。「新世界訳」日本語版は,神の言葉の原文を忠実に訳しているだけでなく,分かりやすく読みやすい聖書です。 *

「新世界訳聖書」を読んで調べてみるのはいかがですか。エホバの証人のウェブサイトやJW Library(ライブラリー)アプリで読むこともできますし,お近くのエホバの証人から印刷版を受け取ることもできます。神の言葉の正確な日本語訳をぜひお読みください。

「新世界訳」改訂版の特色

「初めて聖書を読む方へ」: 聖書の基本的な教えに関する20の質問と,それに答える聖句が挙げられています。

「概要」: 聖書の各書の最初にその書の内容がまとめられており,どこに何が書かれているかを見つけやすくなっています。以前の版の各ページにあった上部欄外見出しに代わるものです。

欄外参照聖句: 宣教で役立つ聖句が厳選されました。

脚注: 別の訳や直訳,参考情報などが載っています。

「聖書語句索引」: 伝道したり教えたりする際に役立つ語句だけが載せられるようになりました。

「聖書用語集」: 聖書に出てくる数百の言葉が簡潔に説明されています。

「付録A」: 今回の改訂版の文体や語彙の変更,神の名前の扱いなどが取り上げられています。

「付録B」: フルカラーのセクションが15あり,地図や図解が含まれています。

^ 4節 「クリスチャン・ギリシャ語聖書 新世界訳」の日本語版は,1973年に発表されました。

^ 19節 日本語版で工夫された点については,「新世界訳」の付録A2をご覧ください。